ラオスの首都ビエンチャンで日常となったフードデリバリー。しかし、その中には危険な運転をするライダーの姿も。彼らが交通ルールを破ってまで急ぐ背景には、間に合わなければ自腹という厳しい現実がありました。
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@p.pepeyy
ラオスの配達員はなぜ信号無視をする?現役ライダーが語る、時間と罰金のプレッシャー
ラオスの都市部、特に首都ビエンチャンでは、フードデリバリーサービスのバイクが街を駆け抜ける光景が日常となりました。しかし、その中には信号無視や危険な運転をするライダーの姿も見られます。
なぜ彼らはそこまで急ぐのでしょうか?ある現役女性ライダーがTikTokで語ったその理由から、彼らが直面する厳しい現実が見えてきます。
間に合わなければ罰金!厳しい時間制限との戦い
ライダーたちが交通ルールを破ってまで急ぐ最大の理由は、アプリによって課せられる厳しい配達時間です。彼女によると、その背景にはいくつかのプレッシャーが存在します。
- 注文ごとの時間制限:すべての注文には、配達を完了すべき時間が設定されています。
- 顧客からの催促:配達が遅れると、顧客から直接「まだか」と催促の連絡が入ることもあり、精神的なプレッシャーとなります。
- 時間内に届ける使命感:温かい料理を温かいまま届けたいという思いと、顧客を待たせたくないという責任感から、自然と急ぐことになります。
遅延は自腹?キャンセルが招く深刻な金銭的リスク
もし配達が時間内に完了しなかった場合、ライダーには厳しいペナルティが待っています。単に評価が下がるだけでなく、直接的な金銭的負担につながることが、彼らを無謀な運転に駆り立てる一因となっています。
- 遅延による罰金:設定された配達時間を超過すると、報酬から罰金が差し引かれます。
- 注文キャンセルのリスク:大幅に遅れてしまうと、顧客が注文そのものをキャンセルしてしまうことがあります。
- キャンセル代金の自己負担:最悪の場合、キャンセルされた商品の代金は、全額ライダーが負担しなければなりません。誰も好きで遅れたり、自腹を切りたいわけではないのです。
レストランでの待ち時間という「見えない敵」
ライダーを焦らせる要因は、道路上の問題だけではありません。自身の努力ではコントロールできない「待ち時間」も、彼らにとって大きなプレッシャーとなっています。
- 調理時間:レストランに到着しても、料理が出来上がるまで5分、10分と待たされることがあります。
- 顧客との時間調整:配達先に到着しても、顧客がすぐに出てこなかったり、受け取りに時間がかかったりすることもあります。
これらの待ち時間もすべて配達時間に含まれるため、失った時間を取り戻そうと、どうしても道路上で急がざるを得ない状況が生まれてしまうのです。
安全運転への呼びかけと理解
彼女は、こうした厳しい状況を説明しながらも、ライダー仲間に対して「どんな理由があっても安全が第一」だと訴えます。事故を起こしてしまえば、お金も時間も、そして健康も失ってしまうからです。
彼女は、交通ルールを遵守し、常に周囲に注意を払うことの重要性を強調しています。
私たちがフードデリバリーを利用する際、この背景を少しでも理解することで、配達員に対してより寛容な気持ちで接することができるかもしれません。
